さばのみそ煮
さばの切り身は煮込む前に、まず霜降りに。このひと手間でくせが抜け、濁りのない、まろやかな味わいが生まれます。
写真: 鈴木 雅也
材料
(4人分)
- ・さば (切り身) 4切れ
- *1切れ160~180g
- ・ねぎ (白い部分) 2本分(150g)
- ・しょうが 40g
- 【A】
- ・昆布の水だし カップ2+1/2
- *5cm長さの昆布を水カップ2に30分間浸したもの
- ・酒 カップ1/2
- 【B】
- ・砂糖 大さじ3
- ・しょうゆ 大さじ1
- ・みそ (淡色辛口) 50g
つくり方
ねぎは3cm長さに切る。しょうがは皮付きのまま2mm厚さに切る。
さばは皮側に浅く切り目を入れる。
せっかく上手に煮ても、皮が破れてしまっては台無し。熱で表面の皮が収縮し、破れてしまわないように、あらかじめ切り目を3~4本、入れておくとよい。切り目から味もしみこむので一石二鳥。
鍋に湯を沸かし、網じゃくしにさばをのせて約10秒間くぐらせる。身が白くなったら氷水にとり、血合いや汚れをていねいに取り除く。
煮魚でいちばん肝心なのが、魚のにおいを煮汁に出さず、うまみを身の内部に閉じ込めること。そのためには一匹づけの魚の場合は熱い煮汁に入れることだが、切り身の場合、煮汁に入れる前に熱湯で霜降りしてから、血合いなどをきれいに取り除くとよい。霜降りによって表面は固まっているので、煮汁は熱くても冷めていてもどちらでもよい。
鍋に【A】の材料としょうが、さばを入れる。中火にかけ、沸いてきたらアクを取り、落としぶたをしてしばらく煮る。
煮はじめてすぐに落としぶたをすると、アクが全体に回ってしまい、後味が悪い。必ずアクを取ってから落としぶたをすること。また、昆布の水だしを使うのは、うまみを加えるだけでなく、昆布のヨード分にアクを付着させ、すくいやすくする効果もある。
【B】の調味料を回しかけ、中火で15分間煮て火から下ろす。ここで一度冷ます。冷ます間に身の中まで味が入る。
再び火にかけ、ねぎを加えて少し煮たら煮汁をカップ1/2程度とり、みそを溶き混ぜる。これを鍋に戻し入れ、ひと煮立ちさせる。
煮汁に最初からみそを入れて煮続けたのでは、香りや風味が飛んでしまう。そこで、下味はしょうゆでつけておき、みそは仕上げに加える。煮汁の一部で溶きのばして加えると、全体にまんべんなく味が回る。
みそが全体になじんだら、さらに3分間、落としぶたをして煮て、冷ます。
7を温め、ねぎ、しょうがとともに器に盛り、煮汁を張る。
このレシピをつくった人
田村 隆さん
(1957~2020) 東京・築地にある日本料理店の三代目。日本各地の食材に精通し、個々の持ち味と特性を調和させた料理をこころがけている。
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