煮しめ
本来は、ひとつひとつ煮しめてから盛り合わせますが、手軽に3つのグループに分けてつくります。慌てず、ゆったり、新年を迎えるプロセスを楽しむ気持ちで進めていきましょう。
写真: 南都 礼子
*全量
*全量
*高野豆腐、干ししいたけを戻す時間、A、B、Cを冷ます時間は除く。高野豆腐と干ししいたけは、つくる前日から戻しておく。
材料
(つくりやすい分量)
- 【グループA】
- ・高野豆腐 2枚
- ・れんこん 2節(300g)
- ・にんじん 1本
- 【A】
- ・だし カップ3
- ・砂糖 大さじ5
- ・うす口しょうゆ 大さじ2
- 【グループB】
- ・干ししいたけ (小) 10枚(35g)
- ・ごぼう 1本(150~200g)
- ・こんにゃく 1枚
- ・米のとぎ汁 適量
- 【B】
- ・だし カップ3
- ・砂糖 大さじ4
- ・しょうゆ 大さじ2
- 【グループC】
- ・里芋 10コ
- 【C】
- ・だし カップ3
- ・砂糖 大さじ3
- ・うす口しょうゆ 大さじ2
- ・絹さや 15枚
- ・酢
- ・砂糖
- ・サラダ油
- ・みりん
- ・しょうゆ
- ・塩
つくり方
たっぷりのぬるま湯に一晩つけて戻す。
手ではさんで絞り、新しい水につける。
2を2~3回くり返し、出てくる水が濁らなくなったら、しっかりと水けを絞って、1枚を6等分の正方形に切る。
ピーラーで皮をむき、たっぷりかぶるくらいの水と酢大さじ1を加えてゆでる。
透き通ってきたら冷水にとって冷まし、1cm幅に切る。
ゆでてから切ると、割れたり欠けたりせず、きれいな断面に。
4~5cm長さに切り、さらに放射状に3等分に切る。それぞれ中心の角を縦に少しそいで切り落とす。
このように切ってから型で抜けば、味のよい外側の部分がむだにならない。細長い先端は乱切りに。
断面を下にして置き、梅の抜き型で抜く。
「ねじり梅」にする場合。花びらの境目から中心に向かって切り目を入れる。その切り目から隣の切り目に向かって包丁の刃を斜めにねかせるように入れて薄くそぎ取ると、立体的な花の形になる。
砂糖1つまみを加えた水につけ、浮かないようにラップで落としぶたをし、一晩おいて戻す。軸を切って除く。
たわしで洗って太めの斜め切りにし、たっぷりの米のとぎ汁でゆでる。柔らかくなったらざるに上げてサッと洗う。
両面とも、厚みの1/4まで斜めに細かく切り目を入れる。
サラダ油小さじ1を中火で熱したフライパンで、両面に焼き目をつける。
熱湯でサッとゆでて水けをきり、高野豆腐と大きさ、厚さを合わせて正方形に切る。
高野豆腐は煮ると少しふくらむので、こんにゃくのほうをやや大きく切るとよい。
重箱の高さに合わせて上下を平らに切り落とす。
縦に皮をむく。下から上へ、まっすぐにむき上げ、上下の断面が六角形になるようにする。
皮の縁より少し外側まで包丁の刃を入れてむいていくと、皮のむき残しがない。
鍋に入れて、たっぷりかぶるくらいの水と酢大さじ1を加え、弱めの中火でゆでる。柔らかくなったら湯をきり、水で洗ってぬめりを取る。
ざるに上げて水けを拭き取り、重箱や器に隙間なく並べられるように、里芋の側面の丸みを平らに切り落とす。
切り落とした部分は捨てずに、みそ汁の実などに利用するとむだがない。
【グループA】、【グループB】、【グループC】は、それぞれフライパンか鍋に入れ、煮汁の材料【A】、【B】、【C】を加えて中火にかける。
煮立ったら弱めの中火にし、アルミ箔(はく)で落としぶたをして3~4分間煮る。
火から下ろし、落としぶたを外して冷ます。こうして煮ては冷ます、を3~4回くり返し、味をしっかり含ませる。
煮物は冷ます間に味がしみるので、この手間は省かない。
最後に落としぶたを取って強めの中火にかける。【A】はみりん大さじ1、【B】はしょうゆ大さじ1/2、【C】はみりん大さじ1/2を加え、鍋を揺すりながら煮汁をとばす。
汁けがからんでつやが出たら、バットに移して冷ます。
絹さやはヘタと筋を除き、塩少々を加えた熱湯でサッとゆでる。盆ざるに広げて湯をきり、塩少々をふって手早く冷ます。
冷水にとると水っぽくなるので、うちわであおいで手早く冷まし、色鮮やかに。
21が冷めたら、22を添えて盛り付ける。
このレシピをつくった人
田村 隆さん
(1957~2020) 東京・築地にある日本料理店の三代目。日本各地の食材に精通し、個々の持ち味と特性を調和させた料理をこころがけている。
つくったコメント