おいなりさん
油揚げの煮詰め加減、すし飯のにぎり加減や詰め加減が違えば、でき上がりが変わってくるのがおもしろい。一つ一つのプロセスをちょっと意識して、楽しくつくってみてください。
写真: 澤井 秀夫
*1コ分
*油揚げを煮る時間、冷ます時間、米の水をきる時間、炊 く時間は除く。
材料
(24コ分)
つくり方
米は洗ってざるに上げ、30~40分間おく(洗い米)。計量カップで量って炊飯器に入れ、それより1割引きの水を加えて堅めに炊く。
例えば洗い米が440mlなら、395~400mlの水を加えます。
【合わせ酢】の材料を鍋に合わせて弱火にかけ、混ぜながら砂糖を溶かし、火から下ろす。
固く絞った布巾で盤台の内側を拭き、炊きたてのご飯を移す。熱いうちに【合わせ酢】を回しかけ、うちわであおいで冷ましながら、しゃもじで切るようにサックリと混ぜる。
ご飯がベチャッとしないよう、余分な水けを吸ってくれる木製の盤台に移して混ぜるのがおすすめです。
【合わせ酢】がなじんで粗熱が取れたら、一か所にまとめ、固く絞ったさらしの布巾をかぶせておく。
冷めたら白ごまをふり、柚子の皮の黄色い表面だけをすりおろして割り箸で散らし、サックリと混ぜる。味をみながら柚子の搾り汁を加える。
片手に固く絞ったさらしの布巾をかぶせ、反対側の手に油揚げの煮汁(手水)をつけて、5を軽くにぎって丸める。これを24コつくる。
油揚げの炊いたんは、落としぶたの上に数枚ずつ重ねてしゃもじではさんで煮汁をきる(煮汁は6の手水に加える)。
対角線で半分に切り、数枚ずつ両手でギュッとはさんで、もう一度汁けをきる。
煮汁がきれていないとベチャッとしますが、絞りすぎてもおいしくありません。何度もつくるうちにこの加減が分かります。
破らないようにして袋状に開き、クルリと裏返しておく。
6を油揚げに入れ、指でギュッと押して隅まで詰めて口を閉じる。油揚げの表裏を逆にして詰めてもよい。器に盛り、好みで紅しょうがを添える。
このレシピをつくった人
土井 善晴さん
おいしいもの研究所代表。長年にわたる多様な食の経験から、和食文化の伝統を踏まえた一汁一菜を提案。新しい発想で料理を楽しくするきっかけをつくったと評価され、2022年度 文化庁長官表彰に選ばれる。各大学にて教授、講師も務める。
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