ノエル・モンブラン
マロンクリームをたっぷり絞りフレッシュな洋梨のソースをあしらった、スペシャル版シュークリーム。キラキラと輝く繊細なあめ細工の飾りがクリスマスムードをシックに演出します。
写真: 野口 健志
*1コ分
材料
(つくりやすい分量)
- 【シュー生地】
- ・牛乳 55ml
- ・水 55ml
- ・バター (食塩不使用) 50g
- ・グラニュー糖 小さじ3/4
- ・塩 一つまみ
- ・薄力粉 45g
- ・強力粉 15g
- ・溶き卵 120g
- 【カスタードクリーム】
- ・卵黄 90g(約4+1/2コ分)
- ・グラニュー糖 60g
- ・薄力粉 15g
- ・強力粉 15g
- ・バニラビーンズ 1/2本
- ・牛乳 カップ1+1/2
- ・バター (食塩不使用) 15g
- 【シュー詰め用クリーム】
- ・カスタードクリーム 300g
- *上記の材料でつくったもの。
- ・生クリーム 60ml
- ・グラニュー糖 小さじ1
- ・ラム酒 小さじ1~2
- 【マロンクリーム】
- ・マロンペースト
- *蒸した栗(くり)をつぶして甘みをつけたペースト。ここでは25%加糖のものを使用。 無糖のマロンピュレ160gに粉砂糖40gを 混ぜて使ってもよい。
- ・カスタードクリーム 120g
- *上記の材料でつくったもの。
- 【洋梨ソース】
- ・洋梨 1コ(正味150g)
- ・シロップ 25g
- *グラニュー糖と水を2:1の割合で合わせて小鍋で溶かし、冷ましたもの。少なすぎるとつくりにくいので、グラニュー糖50gと水25mlで多めにつくり、そこから取り分けて使うとよい。
- ・レモン汁 小さじ1
- 【あめ細工】
- ・グラニュー糖 200g
- ・水 60ml
- ・サラダ油
下ごしらえ・準備
1 卵はいずれも室温に戻しておき、【シュー生地】用の溶き卵は均一にほぐす。
2 【シュー生地】、【カスタードクリーム】の薄力粉と強力粉は、それぞれ合わせてふるっておく。
3 オーブンを190℃に温める。
4 絞り袋に口金をセットしておく。
! ポイント
【シュー生地】を絞り出すとき、シューにクリームを詰めるときは、直径1cmの丸口金を使う。【マロンクリーム】を絞り出すときは、直径1.5cmで穴が8コあいたモンブラン用の口金を使う。それぞれあらかじめ絞り袋につけておくこと。
5 【あめ細工】用の棒を用意する。
! ポイント
プロの厨房では細長い金属の板を2つ使うが、家庭ではアルミ箔(はく)を巻いた割り箸や菜箸2本で代用してもよい。下から4~5cm上げて使うので、同じ高さのセルクルや器も4コ用意しておく。
つくり方
卵黄とグラニュー糖をボウルに入れて泡立て器でよくすり混ぜる。
グラニュー糖が溶け、少しふんわりとして白っぽくなってきたら、合わせてふるっておいた小麦粉を加え、粉が見えなくなるまで手早く混ぜる。
バニラビーンズは、さやを縦半分に切り、ナイフでこそげ出す。
厚手の鍋に牛乳、3のバニラビーンズとさやを加え、中火で温める。沸騰して全体が泡立ったらすぐ火から下ろし、2に少しずつ加えながら混ぜ合わせる。
こし器を通して鍋に戻し入れ、再び中火にかけ、泡立て器で絶えず全体を混ぜながら煮る。混ぜ残った部分がダマになるので、手早くすみずみまで混ぜること。
すくい上げると、泡立て器の中に少しとどまってから、ゆっくりと落ちるくらい濃度がつけばOK。煮えすぎてダマができないように注意。
火から下ろしてバターを加え、均一になじむまで混ぜる。
バットにラップを敷いて6を流し、上からもぴったりとラップをはりつけて覆う。底を氷水に当てて冷やし、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やしておく。
鍋に牛乳、水、バター、グラニュー糖、塩を入れて中火にかけ、完全に沸騰するまで温める。
火から下ろし、合わせてふるっておいた小麦粉を一気に加え、泡立て器で混ぜる。
粉が見えなくなったら中火にかけ、耐熱性のへらで絶えず混ぜながら火を通す。鍋底にこすりつけるようにして、効率よく全体に熱を伝えるのがコツ。へらでのばしてはまとめ、均一な状態に。
まとめるとコロンとはがれていた生地が、うっすら鍋底にこびりつくようになったら火から下ろす。
ボウルに移して溶き卵の半量を加え、ゴムべらでしっかりと混ぜる。最初は分離してしまうが、根気よく混ぜていると均一になじんでくる。
残りの溶き卵は、様子を見ながら少しずつ加え、そのつどよく混ぜる。必ず完全に混ざってから、次の溶き卵を加えること。
ゴムべらですくい上げた生地がゆっくりと落ち、逆三角形の膜ができるようになったら、溶き卵が残っていても加えるのをストップ。生地がゆるすぎると、焼いたときふくらみが悪くなる。
丸口金をセットした絞り袋に入れ、オーブン用の紙を敷いた天板に、2~3cmの間隔をあけて絞り出す。口金を動かさずに固定したまま絞り、直径4~5cmほどの大きさに。絞り袋に生地が残るようなら、2回に分けて焼く。
表面に霧吹きでサッと水を吹き、190℃に温めておいたオーブンの下段に入れる。約15分間焼き、生地がふくらんだら170℃に下げて30分間ほど焼いて取り出し、網の上で冷ます。ふくらみきる前に温度を下げると、シューがしぼんでしまう。途中でオーブンの扉を開けるのも禁物!
表面に焼き色がつくだけでなく、生地の割れ目まできつね色になるまで、しっかりと焼く。
7の【カスタードクリーム】を裏ごしし、なめらかにする。そのうち120gを【マロンクリーム】用に、300gをシュー詰め用に分けておく。
【マロンクリーム】をつくる。マロンペーストを裏ごししてボウルに入れ、【カスタードクリーム】を加える。ゴムべらで混ぜ合わせ、モンブラン用の口金をセットした絞り袋に詰める。
【シュー詰め用クリーム】をつくる。別のボウルに生クリームとグラニュー糖を入れて七分(ぶ)立てに泡立て、ラム酒を加えて混ぜる。【カスタードクリーム】と合わせ、生クリームの泡をつぶさないようにやさしく混ぜ、丸口金をセットした絞り袋に詰める。
【シュー生地】の底にナイフで穴をあけ、17のクリームを詰める。穴から出るくらいにたっぷりと入れ、余分はボウルの縁で切るようにして落とす。
皿に18をのせ、上に【マロンクリーム】を絞る。まず、横に往復させて絞り、向きを変えて下の線と垂直に絞って重ねる。
オーブン用の紙の上に、同じ高さのセルクルや器を4コ置く。【あめ細工】用の棒にサラダ油を塗り、6~7cm間隔にセットする。
鍋にグラニュー糖と水を入れて中火にかけ、時々揺すりながら溶かす。全体が泡立ち、縁のほうがうっすら色づいてきたら、火から下ろして底を氷水に当て、とろみがつくまで冷ます。
フォークを浸して持ち上げたとき、スーッと糸状に流れ落ちるのが目安。冷えすぎると固まってしまうので注意。
21にフォークを浸してからめ、高いところから2本の棒を大きくまたぐように往復し、線を描く。
5~6cm幅のクモの巣状になったら、両手で下から持ち上げ、左右からふんわりとまとめて形を整える。同様にして6~7コつくる。途中であめが固まってきたら焦がさないように温め、21~23を繰り返す。
【洋梨ソース】をつくる。洋梨は皮と芯を除き、シロップ、レモン汁とともにフードプロセッサーにかける。
モンブランの周りに【洋梨ソース】を適量あしらい、上に【あめ細工】をのせる。
ノエル・モンブラン6~7コと、マロンクリームを上に絞らないシュークリーム5~6コができる(シュー生地は12~13コ分、シュー詰め用クリームは11~12コ分、マロンクリームは6~7コ分)。
このレシピをつくった人
鎧塚 俊彦さん
東京・六本木と京橋にあるフランス菓子店のオーナーパティシエ。スイス、オーストリア、フランス、ベルギーで洋菓子の研鑽を積み、ベルギーでは日本人初の三ツ星レストランのシェフ・パティシエに就任。帰国後は、オーダーを受けてから客の目の前で仕上げる「ライブデザート」で、スイーツ界に新風を吹き込む。農業への取り組みや、地方の活性化にも尽力している。
つくったコメント