ピロシキ
ロシア料理の代表選手。つくり方はパンよりずっと簡単。今回はもっともポピュラーな、ひき肉とたまねぎのピロシキです。
写真: 木村 拓(東京料理写真)
*1コ分
*生地をねかせる時間は除く。
材料
(長さ10cmの小判形約20コ分)
- ・強力粉 500g
- ・砂糖 40g
- ・塩 8g
- ・卵 1コ
- ・牛乳 250ml
- ・ドライイースト 7g
- ・バター (食塩不使用/室温に戻し、柔らかくしておく) 50g
- 【具】
- ・合いびき肉 250g
- ・たまねぎ 1/2コ
- ・顆粒スープの素 (洋風) 少々
- ・強力粉
- *打ち粉用。
- ・バター
- ・塩
- ・こしょう
- ・揚げ油
つくり方
ボウルの中に強力粉、砂糖、塩を入れてサッと混ぜる。卵を割り入れ、牛乳を加えてゴムべらでよく混ぜる。
水分が粉類と混ざったら、ドライイーストを加え、手でギュッギュッとつかむようにして全体を練る。
生地にまとまりが出てきたら、バターをちぎって加える。初めはべたつくが、時々手につく生地をこそげながら、さらに練る。
バターがよく混ざり、生地にまとまりが出てきたら、打ち粉をした台に取り出す。体重をかけるようにして、約20分間練る。丸く形を整えてみて、表面がなめらかになっていたら、ボウルに入れる。
生地にぬれたふきんをかけ、40℃の湯を入れた大きめのボウルに、4をボウルごとつける。温度が下がりすぎないように、全体をポリ袋で覆い、60~80分間おく。
室温30℃程度のところにおく、またはオーブンの発酵モードを使用してもよい。
生地を発酵させている間に【具】をつくる。フライパンにバター小さじ2を入れて熱し、合いびき肉を加える。色が変わってきたら、みじん切りにしたたまねぎを加える。たまねぎが透き通るまでしっかり炒めたら、顆粒スープの素と塩・こしょう各少々で味を調え、そのまま冷ましておく。
5が約2倍にふくらんだら、打ち粉をした台に取り出す。握りこぶしで全体を押し、ガスを抜く。
スケッパーなどで、40gずつ(約20コ)に切り分け、丸める。打ち粉をしたバットなどに並べ、乾いたふきんをかけて10~20分間おく。
8の生地をめん棒で直径8~10cm程度にのばす。指の上にのせ、くぼませたところに6の【具】を小さじ1強詰める。
生地の間に【具】の油をはさまないように、生地を軽く引っ張り、しっかりととじ合わせる。とじ目のひだを倒し、それが裏面の真ん中にくるように、全体を小判形に整える。できたものからふきんをかけ、10分間おく。
150~160℃に温めた揚げ油の中に10を入れ、時々返しながら、7~8分間ゆっくり揚げる。きれいなきつね色になったら、厚い紙タオルを敷いたバットに上げ、油をきる。
溶き卵を表面にぬり、オーブン用の紙を敷いた天板に並べて、170~180℃のオーブンで約12分間焼いてもよい。
【3つのポイント】
1.皮はなめらかになるまでしっかり練る。
皮の生地を練るときは、全身の体重をかけて練っては折る、練っては折るを繰り返します。時々丸めてみて表面がなめらかになったらOK。ボコボコとしていたら、さらに練りましょう。
2.生地の接着面に具の油分をはさまない。
生地の間に具の油分がはさまると、揚げたときに、とじ目が開いてしまいます。生地を軽く引っ張り、具と離した位置で生地をつなぎましょう。指先に力を入れて、2枚の生地が一つになるようにします。
3.揚げ油は低温にして、ゆっくりと揚げる。
高温の揚げ油に入れると、表面だけが焦げてしまいます。低温の油に入れ、時々ひっくり返しながら、熱を通します。生地が十分にふくらみきると、やがて表面によい揚げ色がついてきます。
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このレシピをつくった人
荒木 瑩子さん
(1929~2022)通訳。ロシア人の家族とともに暮らした間に料理を覚え、ロシア語通訳者として活躍。長年にわたり、大阪でロシアの食文化に関する講習会を開いていた。
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