鯛かぶら
鯛のアラのうまみを淡泊なかぶに含ませた一品。アラを最初に水と酒で煮ると、骨からおいしさが引き出されます。
写真: 蛭子 真
*1人分
材料
(2人分)
- ・かぶ 2コ(約360g)
- ・たいのアラ 1/2匹分(約300g)
- 【A】
- ・水 カップ3+1/2
- ・酒 カップ1/4
- 【B】
- ・砂糖 大さじ2
- ・みりん 大さじ2
- ・うす口しょうゆ 大さじ3
- ・塩 少々
- ・柚子(ゆず)の皮 (せん切り)
つくり方
かぶは四つ割りにし、皮を厚めにむく。
かぶは内側の堅い繊維の層まで皮をむくと、柔らかく煮上がる。
鍋に1とかぶるくらいの水を入れて火にかける。沸騰したら、弱めの中火にしてゆで、竹ぐしがやっと通るくらいになったらざるに上げる。
たいのアラは、頭の部分は2つから3つに切り分ける。中骨はヒレを除いて、2つから3つに切り分ける。
鍋に湯を沸かし、3のアラを入れ、表面が白くなったらすぐに水にとる。残ったウロコを手で取り除き、ぬめりを洗い流す。
アラを熱湯にくぐらせることで、血の汚れを固め、生臭みを取る。白っぽくなったら水にとる。手で探りながらウロコやヌメリを取り除く。
鍋に2のかぶと4のアラを入れ、【A】を加えて火にかけ、沸騰したらアクと脂を取り除く。弱火にして【B】を順に加え、紙ぶた(鍋に入る大きさに切った調理用の紙に数か所切り目を入れたもの)をし 、20~25分間煮る。
酒を入れた水から煮て、たいの骨からうまみを引き出す。アクと脂をていねいに取り除く。煮汁が全体によくしみるように、紙ぶたをする。アラから出たうまみを素材に戻すようにじっくり煮る。
かぶに竹ぐしがスッと通るくらいになったら火から下ろす。
器に盛り、ゆずの皮を添える。
【かぶ】
「かぶら」とも呼ばれる。皮が白く、なめらかなもの、葉がみずみずしいものを選ぶとよい。千枚漬に使われる聖護院(しょうごいん)かぶなどの大型の種類もあるが、今回は手に入りやすい小かぶを使用。柔らかい葉も漬物などに利用できる。
このレシピをつくった人
杉本 節子さん
生家の京町家の保存活動をしながら、杉本家代々に伝わる記録を元に、京の食文化を研究。現在は「おばんざい」のむだを出さずに使いきる合理的なレシピに着目し、紹介に努めている。
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