くりの甘露煮
くり本来のおいしさを生かした、やさしい甘みとホクホク感は手づくりならでは。くりが堅くならないように、煮詰めずゆっくり甘みを含ませます。
写真: 久間 昌史
*全量
*全量
*くりをみょうばん水につける時間、 甘みを含ませる時間は除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・くり 500g
- ・みょうばん水 カップ3
- *焼きみょうばん(全体備考参照)小さじ2を水カップ3に溶かしたもの。
- ・くちなしの実 2コ
- *全体備考参照。
- 【A】
- ・水 カップ3+1/2
- ・砂糖 200g
- ・塩 少々
つくり方
くりはくりご飯の6と同様に皮をむき、みょうばん水につけてアクを抜く。くちなしの実は半分に切る。
1のくりは洗って水けをきり、鍋に入れ、かぶるくらいの水とくちなしの実を加えて中火にかける。静かに沸く程度の火加減で約20分間、竹串が軽く刺さるくらい柔らかくなるまでゆでる。
鍋を火から下ろして流水を注ぎ、手が入る温度になったら、くりの表面をやさしく洗って水けをきる。
4でくりがまだ温かいうちに煮はじめられるよう、手早く洗う。流水は、くりに直接当たらないように、手に当てながら注ぐ。
鍋をきれいにして【A】の水を中火で沸かし、砂糖を加えて混ぜる。砂糖が溶けたらくりを加える。
紙タオル(不織布タイプ)などで落としぶたをし、グラグラ沸かないように弱めの中火で10分間ほど煮る。
塩少々を加え、再び落としぶたをし、火を止めて粗熱を取る。汁ごと清潔な容器に入れてラップをぴったりとかぶせ、常温に2日間おいて甘みを含ませる。
3日目以降は冷蔵庫へ。1~2週間保存可能。
◎焼きみょうばん◎
水に溶かして野菜のアク抜きや変色防止、煮くずれ防止などの下ごしらえに使う。薬局や乾物店などで手に入る。
◎くちなしの実◎
完熟したくちなしの実を乾燥させたもの。色素を水に溶け出させ、食材を黄金色に染める。
◆長期間保存したいときは◆
一度に食べられる量に分けて小さめの瓶に入れ、瓶ごと蒸し器で加熱してから保存するのがおすすめ。
1.つくり方6で塩を加えたあと、熱いうちに清潔な瓶(本体もふたも煮沸消毒したもの)にくりを入れて汁で満たす。蒸気の上がった蒸し器に入れ、中火で15分間加熱する。
2.一度火を止めて軽くふたをかぶせ、再び中火で4~5分間加熱する。火を止めて、やけどに注意して取り出し、ふたを閉めて冷ます。
●冷蔵庫に入れれば半年間、色を保ちながら保存できる。
このレシピをつくった人
柳原 一成さん
(1942~2022)江戸料理を伝える懐石料理の宗家。東京赤坂で料理教室を主宰。全国各地の郷土料理や伝統行事食に造詣が深い。
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