栗の渋皮煮
家庭で栗(くり)を楽しむなら、渋皮煮がいちばん。甘さは控えめ。そしてブランデーを加えた大人が喜ぶ一品。手間をかけた分だけのおいしさに出合えます。
写真: 鍋島 徳恭
*全量
*全量
*栗をぬるま湯につける時間、おく時間、粗熱を取る時間は除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・栗 1kg
- *なるべく大きいサイズのものを使う。
- ・重曹 大さじ1
- ・三温糖 適量
- ・ブランデー 適量
- *子どもが食べる場合やアルコールが苦手な場合は、ブランデーは省く。
つくり方
栗はたっぷりのぬるま湯につけて、厚手の紙タオル(不織布タイプ)をのせ、一晩つける。
鬼皮が柔らかくなり、むきやすくなる。
水けを拭き、栗の底の部分に栗の皮むき用はさみや包丁で横に切り込みを入れ、鬼皮を頂部に向かって引っ張るようにしてむく。
土鍋またはホウロウ鍋、厚手のステンレス鍋に栗を入れ、厚手の紙タオル(不織布タイプ)をのせ、たっぷりの水を注ぐ。強火にかけ、フツフツと沸いたら重曹を加え、弱火にして約15分間ゆでる。
流し台に鍋を移し、鍋の縁に静かに水を注ぐ。水をかえながら、はがれた渋皮を除き、栗を両手ですくい出して鍋を水で洗う。
鍋の水けをしっかり拭き取ってから栗を戻し入れ、厚手の紙タオル(不織布タイプ)をかぶせる。たっぷりの水を注いで火にかけ、沸騰したらゆでこぼす。栗の底の部分と表面の薄皮を指の腹でこすりながら除いて、栗をきれいにする。これを2~3回繰り返す。
むくときは無理にむこうとせず、自然に取れるもののみでよい。
鍋に栗と三温糖450gを入れ、厚手の紙タオル(不織布タイプ)をのせる。水カップ4を加えて火にかけ、フツフツと沸いたら弱火にして約20分間煮る。火を止め、そのまま一晩おく。
再び鍋を中火にかけ、温まったら栗と煮汁の味をみて、三温糖カップ1/4~1/2を加える。サッと沸騰させ、ブランデーカップ1/4を加えて火を止めてそのままおき、粗熱を取る。
栗を丁寧に取り出して保存容器に並べる。残った煮汁を火にかけ、アクを取り、約半量になるまで煮詰める。煮汁にブランデー大さじ2を加え、栗に回しかけ、煮汁につかった状態にする。
【保存】
冷蔵庫で約1か月間保存可能。味が少し落ちるが、汁ごと冷凍して約4か月間保存可能。
【渋皮煮には土鍋がおすすめ】
栗が傷つかないよう、丁寧に煮ていく必要がある渋皮煮には、素材に熱が柔らかく伝わる、土鍋がおすすめ。少ない砂糖でも栗の中までしっかり煮汁がしみ込むのも利点です。
【煮くずれた渋皮煮は】
丁寧に煮ても煮くずれたり、皮が破れてしまうものも出てくる。そんなときはアイスクリームやソテーに添えるのがおすすめ。
◆マロンシャンティーに◆
渋皮煮を裏ごしまたは粗く刻み、バニラアイスクリームに添えて煮汁をかける。
◆豚肩ロース肉のソテーに添えて◆
渋皮煮をバターでサッと炒めて添える。
このレシピをつくった人
松田 美智子さん
都内で料理教室を主宰。惣菜からもてなし料理、保存食まで、和洋中のジャンルを超えて幅広く指導。鍋料理の本も執筆。テーブルウェアの開発などにも携わる。
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