2024/09/03

管理栄養士 藤井恵さんインタビュー(2)~美肌と減塩レシピ

管理栄養士の藤井恵さんに、健康的な食生活についてお話をうかがいました。第2回は、美肌や減塩についてをお送りします。

藤井恵

藤井先生はお肌がきれいですよね。美肌の秘けつについて教えていただけますか?

美肌の秘けつ

藤井
きっと腸内環境を意識した食生活をしているからだと思います。12年ほど前に理化学研究所の先生と一緒に「腸に良い食事」という料理を提案する本を出したのがきっかけです。
その時から、腸によいものを意識して食生活にプラスしてきました。食物繊維の多い食材、納豆、きのこ、海藻類などがそれまでは少なかったので、その時から多くとるようになり、それから肌荒れも少なくなり、便秘もしなくなりました。それまでは、野菜を摂ることばかりを意識していて、納豆やきのこ類は毎日食べていませんでしたね。
納豆は、発酵食品でたんぱく質、食物繊維も豊富ですし、大豆イソフラボンも手っ取り早く採れるパワー食材です。1食でもいいので食べるといいですよ。
私は、納豆とめかぶに、酢だけをかけて毎朝食べています。しょうゆは使わず、こしょうをかけたり、酢の代わりにかんきつ類を搾ったり、何もかけずそのまま食べたりすることも。塩分が多くならないように気をつけています。
納豆、めかぶはコンビニでも売ってるので、私は出張に行った際に「食事のバランスが崩れてるな」と思ったときはホテルで食べています(笑)

ネバトロ”美活丼”
藤井さんのおすすめレシピ「ネバトロ”美活丼”」のレシピはこちら

減塩のコツ

減塩については、1日の食塩摂取量目安が成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満、血圧の高い人は6g未満という目標値がありますが、実践するコツがあれば教えてください。

※厚生労働省日本人の食事摂取基準2020年度版

藤井
私自身は、仕事柄いろいろ方に向けてレシピを提案するので、薄味になり過ぎず、一般的な味覚に整えておかないといけないと思っています。そのために、毎日飲むみそ汁を、塩分濃度計で毎日計って、この味わいが塩分何パーセントなのかを確かめ、塩分の味覚がぶれないようにしています。そうすることで塩分の濃度も把握でき、塩分を意識するので、減塩がかなえられていると感じています。
みなさんも、塩分を知って意識してみてください。例えば最初のうちは、水やみその量を計ってみそ汁をつくり、少しずつ減らして、だんだん薄味に慣れていくとよいと思ます。
それから、献立に味のないもの、塩分を加えていないものを足すのがいい方法です。全部薄味ではなくメリハリをつける。メインの料理が味の濃いものなら、副菜を薄いものにして、香辛料や酸味などを上手に使うなど、楽しみながら減塩しないと長続きしないですね。
高血圧になってから塩分を減らすのではなく、若いうちから減塩、塩分の低いものに慣れることが大切だと思います。
冷凍食品を研究していた時があったのですが、麺類など袋の表示を見ると塩分が9g入っていてびっくりしたことがあります。便利ですが、これを毎日買って食べていたら、これに慣れすぎちゃってこわいなぁと思います。
たまにはいいと思いますが、やはり家でご飯をつくる大切さを感じますし、家のご飯が一番おいしいと思うようになります。また採りたて旬の野菜を取り入れると、味つけいらずでおいしいですよね。食材選びも大切だなと思います。

藤井恵

そのほか、健康に関して心掛けていることはありますか?

藤井
私に足りないのは、「お酒を減らすこと」と「運動」だとずっと思っていました。お酒はなかなか減らせず(笑)、スポーツジムの会員になって運動をしようと思っても長続きしませんでした。でも最近、30分だけ運動するジムに行き始めて、珍しく続いています。筋トレや有酸素運動をしていますが、胴回りや足回りが引き締まりました。定期的に身体測定をするのも、モチベーションが上がりますね。

みなさんへメッセージを

藤井
私は、腸内環境がとても大事だと思っています。発酵食品の菌が、腸内に住み着くわけではありませんが、もともとある菌を元気にすることはできます。
腸内環境をよくするには、多様な食物繊維をとるのが一番いいです。いろいろな食品からいろんな食物繊維をとるのが大事。
私は、食物繊維が豊富なもち麦や海藻、きのこをストックしています。またミックスきのこを塩ゆでして、つくり置きしておくといいですよ。そのまま食べてもみそ汁に入れてもおいしいです。

塩ゆできのこ
藤井さんのおすすめレシピ「塩ゆできのこ」のレシピはこちら

すぐにできる料理で、おすすめなのは納豆チャーハンです。ひき肉を炒めて、もち麦入りのご飯、納豆にしょうゆと砂糖を混ぜたものをサッと混ぜる。発酵食品の納豆が調味料代わりになります。ぜひサラダ菜も添えて。

納豆チャーハン
藤井さんのおすすめレシピ「納豆チャーハン」のレシピはこちら

そのほか、健康のためにストックしておく食品でおすすめは、さば缶やいわし缶です。たんぱく質も取れ、脳にも良いEPAやDHAが豊富です。缶汁ごと鍋に入れて、ブロッコリーなどとみそ汁にして食べています。おろししょうがやすりごまをたっぷり入れると、さばの香りも気になりませんよ。
キムチチゲなどにも使うと、さば缶がスープのだし代わりになります。
ぜひ、試してみてください。

藤井さん、ありがとうございました。

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