ダイエットしたければ炭水化物をとろう!~「健康を維持するための食事」Vol.5
健康と食にまつわる情報をお届けする「健康キッチントピックス」。
5回にわたり、「健康を維持するための食事」について女子栄養大学短期大学部 教授 松田早苗さん(以下=松田)にお聞きします。第5回は「ダイエットしたければ炭水化物をとろう!」です。
ダイエットしたいとき効果的なのは?
ダイエットしたいときは、炭水化物を減らすと効果的でしょうか?
松田ダイエットには、良いダイエットと悪いダイエットがあります。
良いダイエットとは体脂肪が減少するタイプで、悪いダイエットとは筋たんぱく質が減少するタイプです。炭水化物を摂らなければ体重は減少しますが、減少しているのは筋たんぱく質で、体脂肪は減少しません。
体内におけるエネルギーの生成は、炭水化物が燃焼し、ついで脂質が燃焼します。脂質を燃焼させ、体脂肪を減少させるためには炭水化物を摂ることです。
炭水化物が不足すると何が起きる?
松田
炭水化物の摂取不足によりエネルギー不足になると、筋たんぱく質が分解され生じたアミノ酸をぶどう糖に変えて、脳や体にエネルギーを補給します。つまり、炭水化物の摂取不足は筋たんぱく質の減少を招きます。
また、炭水化物の摂取不足は、脂質が円滑に燃焼せず、“ケトン体”が生成されます。ケトン体は、脳のエネルギー源になるとも言われていますが、その一方で、増えすぎると血液が酸性化してしまう“ケトアシドーシス”になり、健康障害を引き起こす原因になる可能性があります。
適切な量の炭水化物を摂取しよう
松田
ダイエットを成功させるためには、適切な量の炭水化物をとって脂肪をうまく燃焼させることが大切です。適切な量の炭水化物をとることは、脳の働きをスムーズにしたり、炭水化物の不足から生じるたんぱく質の燃焼を防いで、筋肉量を保ったりするなどの効果も得られます。
一方、炭水化物の過剰摂取は、血糖値や血中脂質を上昇させ、生活習慣病を招きます。適正な炭水化物の摂取、つまり、主食はしっかり摂取することをこころがけましょう。
炭水化物を多く含む食材の目安量
ご飯・パン・麺1食の目安値
※主食となる炭水化物は、下記の量を1食の目安にして1日3食とるようにしましょう
5回にわたり、松田早苗さんから「健康を維持するための食事」について伺いました。
自分や家族の健康を維持するために、主食、主菜、副菜などバランスの良い食事を実践するためにも、健康キッチンのレシピをぜひご活用ください。
松田早苗さん、ありがとうございました。
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