甘夏マーマレード
程よい甘さ×ほろ苦さのバランスが絶妙。煮上がりはとろみがわずかに感じられるくらいですが、冷めると固まって、プルンとしたジュレのような舌ざわりに。
写真: 宮濱 祐美子
*全量
*全量
*冷ます時間は除く。
材料
(140mlの保存瓶約8コ分)
- ・甘夏 3~4コ(約1kg)
- *とりたてのものは、1週間ほどおいてから使う。
- ・レモン 1~2コ
- ・グラニュー糖 700~750g
- ・オレンジリキュール 小さじ2
つくり方
甘夏、レモンは横半分に切り、それぞれ果汁を搾ってざるでこす。どちらも種と搾りかすはとっておく。
甘夏果汁は400mlに、レモン汁は100mlになるよう用意する。搾り器を使うと、果汁をむだなく搾れる。
1の甘夏の薄皮を手ではがし、皮は縦に4等分に切って白いワタをそぐ。薄皮とワタは1の種、搾りかすとともにガーゼで包む。
ガーゼの四方の端を対角同士で結んで、しっかりと包む。さらに上下を返し、もう1枚のガーゼで同様に包むと種がこぼれにくい。
2の甘夏の皮を横長に置いて、長さを3等分(約2cm長さ)に切り、向きを変えて1.5~2mm幅に切る。
皮に黒いところがあれば除く。皮の大きさをそろえて切ると、煮るときに均一に火が通る。
鍋に2、3、水1.6リットルを入れて中火にかける。ふたをして、弱めの中火で45~60分間、甘夏の皮が透き通って柔らかくなるまでゆでる。
アルミの鍋は変色するので使わない。ガーゼに包んだ種と搾りかす、薄皮、ワタも一緒にゆでると、とろみのもとになるペクチンが出る。皮が透き通って、食べてみて十分に柔らかくなったらゆで上がり。
ざるを重ねたボウルにあけ、甘夏の皮とゆで汁を分ける。鍋に甘夏の皮、ゆで汁500ml、1の甘夏果汁とレモン汁、グラニュー糖の半量を入れる。
ゆで汁:甘夏果汁:レモン汁=5:4:1がおいしい割合。ゆで汁が足りない場合は、水適宜を足す。
中火にかけ、アクを取りながら煮る。アクが落ち着いてきたら残りのグラニュー糖を2回に分けて加える。
グラニュー糖を分けて加えると、しっかりと煮詰まるのでグラニュー糖の総量が少なくて済む。
時々混ぜながら、泡のきめが細かくなり、ゆるくとろみがつくまで30分間ほど煮詰める。
混ぜたときに出る泡の色が淡い黄色から薄い茶色になり、泡の音が静かになってきたら煮上がりの合図。糖度計を持っている場合は、58度を目安に。
オレンジリキュールを加え、一瞬火を強めてから火を止める。
火を強めてアルコールをとばす。リキュールを加えると味に深みが出る。
熱いうちに(80℃以上)煮沸消毒した保存瓶に9分目まで入れる。瓶の口を拭き、ふたを軽くしめる(やけどしないよう、ゴム手袋や布巾を使用する)。そのまま1分間おき、ふたを一瞬ゆるめ、すぐにふたをしめる。
鍋に布巾を敷き、瓶を熱いうちに並べる。瓶の肩まで湯を入れ、中火にかけて沸いてから10~15分間煮る。取り出して自然に冷ます。
●保存
未開封で冷蔵庫で約4か月間(開封後は1週間以内に食べきる)。
◆MEMO◆
・はっさく、だいだい、夏みかんも同様につくれる。
・日向夏(ひゅうがなつ)やグレープフルーツ、オレンジ類は、ワタが厚すぎたり、皮が薄すぎたりするので、このつくり方には向かない。
・保存瓶は新しいものを使う。大きめの鍋に瓶とふた、かぶるくらいの水を注いで沸かし、ふたはサッと、瓶は2分間ほど煮沸消毒する。網などの上に上下を逆さに置いて水けをきって乾かし、瓶が熱いうちにジャムを入れる。
このレシピをつくった人
赤曽部 麗子さん
さまざまな果物のジャムづくりを研究し、教室で教えているほか、商品のプロデュースや監修、日本各地の町おこしにも携わる。
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