【からだのための”食材ファイル”】季節の人気食材 vol.13 じゃがいも PR
今回は じゃがいも です。
加熱に強いビタミンCで風邪予防
栄養面で特徴的なのは抗酸化作用のあるビタミンCが豊富なことです。じゃがいも内のでんぷんがビタミンCを包み込んでいるため、加熱によるダメージが少なく、効率よく摂取することができます。また、貯蔵期間の長いじゃがいもより新じゃがのほうがビタミンCが多く含まれることがわかっています。
ほかにも体内の塩分を排出する働きをするカリウムや、ストレスを解消して精神を安定させるアミノ酸の一種であるGABAなどが含まれています。
じゃがいもは、米、麦、とうもろこしに次いで世界四大作物に入る、世界中で食されている作物です。日本へは江戸時代に、ジャガタラ(現在のインドネシア、ジャカルタ)から長崎に伝えられたため、当初「ジャガタラいも」と呼ばれていました。
本格的に栽培されるようになったのは、明治維新以降で、北海道の開拓地で大々的に生産されるようになっていきました。
主要の品種は、粘りがなくホクホクした食感の「男爵」と、肉質が緻密でねっとりしている「メークイン」の2つ。男爵は煮崩れしやすいのでマッシュポテトやコロッケなどに、メークインは煮崩れしにくいので煮物や揚げ物などに向いています。
じゃがいも基本情報
英名 Potato
和名・別名 馬鈴薯
エネルギー(100g中) 76kcal
糖質量(100g中) 16.3g
1個あたり:150g
正味:135g/103kcal
食品成分表(可食部100gあたり)
たんぱく質……1.6g
脂質……0.1g
炭水化物……17.6g
無機質
カルシウム……3mg
鉄……0.4mg
ビタミン
B1……0.09mg
B2……0.03mg
C……35mg
薬膳の考え方から見た食品特性
五味…甘
五性…平
帰経…脾・胃・大腸
保存法とおいしさの見分け方
保存法
紙袋や段ボールなどに入れて、冷暗所に保存。長期保存する場合は、りんごを1つ入れておくと、りんごから発生するエチレンガスが、芽が出るのを抑えてくれる。
おいしさの見分け方
- 皮が青緑色に変色していない
- ハリがあり、シワがない
じゃがいもの種類
メークイン
楕円形で、果肉は淡い黄色。
男爵
ふっくらと丸く、果肉は白い。
機能性を持つカラフル品種
紫色やピンク色、濃黄色などさまざまな色味の品種。「シャドークイーン」や「ノーザンルビー」のような紫色やピンク色は抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、アントシアニンの色素によるもので、「インカのめざめ」の濃黄色はカロテノイド系色素のゼアキサンチンによるもの。抗酸化作用があり、目の保護などに役立つ。
シャドークイーン
果肉は鮮やかな紫色。紫チップスやマッシュポテトなどに。
ノーザンルビー
加熱してもピンク色が残るため、ビシソワーズなどに。
キタムラサキ
皮も果肉も紫色の品種。揚げたりフレークにしたりしても色がきれいに残る。
インカのめざめ
糖度が6~8度で甘みが強いのが特徴。
じゃがいも豆知識
馬鈴薯はじゃがいものことではなかった
じゃがいもは馬鈴薯(ばれいしょ)とも呼ばれるが、本来、中国では馬鈴薯とはじゃがいものことではなくマメ科のほどいもを指していた。それを、1808年に学者の小野蘭山がをじゃがいもを馬鈴薯と紹介したことから、現在でも馬鈴薯とも呼ばれることになった。
簡単に皮をむく方法
加熱する前に、洗ったじゃがいもの真ん中に一周ぐるっと包丁で2~3㎜の深さの切り込みを入れる。ラップに包み電子レンジで加熱したら、粗熱を取り、切り込んだ皮の上下をつまむとつるんと皮をむくことができる。
抗ストレス作用や認知症予防に
アミノ酸の一種GABA(P.185)は、じゃがいもの中心部に含まれていることがわかっています。
小脳や大脳などに多く存在する抑制性の神経伝達物質で、脳の動きを正常に導き、精神安定作用があるといわれています。
冷蔵庫保存後の炒める、揚げる、焼くはNG!
冷蔵庫でじゃがいもを保存していた場合、「炒める」「揚げる」「焼く」の調理法は避けたほうがよい。冷蔵保存をすると、でんぷんが糖分に変わり、この糖分とじゃがいもに含まれているアミノ酸が、高温加熱調理によって化学反応を起こし、発がん性を持つアクリルアミドを多く生成するためである。「ゆでる」「煮る」「蒸す」方法であればアクリルアミドは生成されにくい。
緑色のじゃがいもや芽には毒素が
太陽光線が当たると、芽が出たり、皮が緑色に変わったりすることがある。この部分には天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれているため、しっかりと取り除いて。
やけどや打ち身にはじゃがいもシップ
すりおろしたものに小麦粉と酢を混ぜ、よく練ったら、ガーゼに塗り、患部に湿布する。
栄養ワンポイント
炭水化物
エネルギーを作り出す
人間が活動するのに必要なエネルギーを作り出すための栄養素です。摂取された炭水化物は、血液中で糖質となり、脳や体を活発化させます。1グラムあたり4kcalのエネルギーになります。
ビタミンC
強い抗酸化作用がある
人間が体内で生成することのできない水溶性ビタミンで、骨や腱などの結合たんぱく質であるコラーゲンの生成に必要な化合物です。毛細血管、歯、軟骨、皮膚などを正常な状態に保つ働きがあるほか、強い抗酸化作用ががんや動脈硬化の予防に役立つと期待されています。
おすすめ 食べ合わせ
◇ 風邪予防には じゃがいも+卵 が効果的!
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