だて巻き
威風堂々としたたたずまい、まさにおせちの主役です。すり鉢でていねいにすり上げて、蛍火でゆっくり焼きあげれば極上のお味ですよ。
写真: 佐伯 義勝
*全量
材料
(21cm四方の卵焼きなべ1台分。)
- ・卵 (中) 10コ
- *大玉なら9コ
- ・白身魚のすり身 (市販) 80g
- ・大和芋 (すりおろす) 大さじ1
- 【A】
- ・砂糖 カップ1
- ・薄口しょうゆ 大さじ1
- ・だし カップ1
- ・サラダ油 大さじ2~3
つくり方
白身魚のすり身をすり鉢に入れてすりこ木でよくする。なめらかになったら皮をむいた大和芋をすり入れ、よくすり混ぜる。
卵白1コ分を加えてさらによく混ぜ、真っ白くふんわりとなめらかになったら卵黄1コ分を加え、よくする。完全に混ざったら残りの卵を1コずつ加えてそのつどよくすり混ぜる。
いきなり全卵を加えると混ぜにくい上にうまくなじまないので、まず卵白を1コ分だけ加えてしっかりすり混ぜる。続いて卵黄を加えて混ぜ、なめらかなカスターdクリーム状になったら、全卵を1コずつ加え混ぜる。
【A】の材料を順に加えて、そのつどすり混ぜる。
ガス台に五徳をのせて卵焼きなべを熱する。サラダ油大さじ2~3を含ませたカット綿でふいてなじませる。
火のあたりが強いと焦げるので、五徳か焼き網を置いて熱するとよい。
3の卵液を注ぎ入れて木ぶたをのせ、おもしをする。時々卵焼きなべを動かして火のあたりを変えながら、ごく弱火で表面が乾くまで約20分間焼く。
卵液を入れたらふたをして、ふくらみすぎないようにおもしをする。途中でふくらみすぎてあふれそうになったら、竹ぐしで数か所突くとよい。
四方に竹ぐしを入れてはずしやすくし、紙を敷いた調理台の上で木ぶたに返す。なべを火の上に戻し、4と同様にして油をひき、卵をすべり込ませる。押しぶたをあて、卵焼きなべを動かしつつ中火で軽く熱し、焼き色をつける。
のぞいてみて表面が乾いていたら、ふたに返して裏面も焼く。
押しぶたに一度とり、鬼す(粗い目の巻きす)に移す。4cmほど巻き込んでクルクルと巻き、輪ゴムで全体をとめて5分間ほどおく。
巻き上がりが「の」の字になるように、鬼すの端を4cmほど巻き込んでから全体を巻き、輪ゴムでとめておく。
巻き込んだ鬼すをはずし、もう一度卵の外側を鬼すで巻き、そのまま落ち着かせる。冷めたら両端を落とし、厚めに切って盛りつける。
このレシピをつくった人
鈴木 登紀子さん
(1924~2020)青森県生まれ。都内で料理教室を主宰。本格懐石から毎日の惣菜まで、味わい深く凛とした盛りつけの和食を伝える第一人者。テレビのバラエティー番組でも活躍。
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