【からだのための”食材ファイル”】季節の人気食材 vol.9 ブロッコリー PR
今回は ブロッコリー です。
強い抗酸化力でがんや生活習慣病を予防
緑黄色野菜の代表格。食べている部分はつぼみとその茎です。強い抗酸化力を持ち、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンや、免疫力を高め、肌を美しく整えるビタミンCが豊富です。さらに、ブロッコリーに含まれる辛み成分スルフォラファンはイソチオシアネートの一種で、抗がんや解毒作用があることが知られています。これらの相乗効果で、がんをはじめ生活習慣病対策にもってこいの野菜といえるのです。アメリカの国立がん研究所が疫学調査の結果に基づいて発表した「がん予防が期待できる食べ物」ランキングでは上位に入っています。
さらに血圧を下げる働きのあるカリウム、貧血予防の鉄、カルシウム摂取を助けるビタミンKなどミネラルも含みます。
見慣れた野菜ですが、日本で本格的に栽培が始まったのは1980年代に入ってからと、意外と新しいのです。今ではほぼ一年中出回るようになりました。
ブロッコリー 基本情報
英名 Broccoli
和名・別名 芽花野菜・芽花椰菜(メハナヤサイ)、緑花野菜・緑花椰菜(ミドリハナヤサイ)
エネルギー(100g中) 33kcal
糖質量(100g中) 0.8g
1株あたり:250g
正味:160g/53kcal
1房あたり:15g/5kcal
食品成分表(可食部100gあたり)
たんぱく質……4.3g
脂質……0.5g
炭水化物……5.2g
無機質
カルシウム……38mg
鉄……1.0mg
ビタミン
A β-カロテン当量……810μg
B1……0.14mg
B2……0.20mg
C……120mg
薬膳の考え方から見た食品特性
五味…甘
五性…平
帰経…肝・脾・腎
保存法とおいしさの見分け方
保存法
ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
おいしさの見分け方
- 鮮やかな緑色で色のムラがない
- つぼみがかたく締まり、密集している
- 切り口にスが入っていない
部位の特徴
茎
茎はつぼみの部分よりも多くのビタミンCとβ-カロテンを含む。外側のかたい部分をそいだら、食べやすいサイズに切って、調理を。
茎ブロッコリー
茎の部分が細長く、房が小さいため、小分けにする必要がない品種。茎の部分の食味はアスパラガスに似ている。スティックセニョールという商品名での流通も。
ブロッコリー豆知識
ビタミンCをたくさん残すには
水溶性で熱に弱いビタミンCはゆでると減少する。ゆでたあとのビタミンCの残存率は50%。ビタミンCは切り口から多く流出するので、あまり小さく分けないほうが成分は残る。一方、蒸した場合の残存率は約90%。フライパンに小房に分けたブロッコリーと200mlほどの水を入れて強火にかけ、ふたをして3~4分蒸し、あとは余熱で火を通す。
冷凍ブロッコリーの栄養は?
冷凍ブロッコリーは、収穫後、すみやかに冷凍食品工場へ運ばれて湯通し後、-30~40℃で急速冷凍される。鮮度が高い状態で冷凍されているため、栄養価が高いが、生のものをゆでたほうが、食感や食味では勝る。なお、家庭用冷凍庫は通常-18℃くらいで、業務用に比べて緩慢冷凍。
栄養ワンポイント
スルフォラファン
抗がん作用が知られる成分
辛み成分イソチオシアネートの一種で、ブロッコリーに含まれています。高い抗酸化作用があり、また、体内の発がん物質を解毒する働きがあるため、がん抑制効果が期待されています。近年の研究では、ピロリ菌除菌作用や花粉症症状の緩和作用があるという発表もされ、ますます期待が高まっています。ブロッコリーの新芽(スプラウト)に含まれるスルフォラファンは濃度が高く、特に発芽3日目が一番多いといわれています。
おすすめ 食べ合わせ
◇ 疲労回復には ブロッコリー+牛乳・チーズ が効果的!
おすすめ レシピ
おすすめ食材を利用した「みんなのきょうの料理」のレシピをご紹介♪