【からだのための”食材ファイル”】季節の人気食材 vol.2 だいこん PR
今回は だいこん です。
複数の酵素が消化を助ける
煮ても焼いても、漬けても、生食でもおいしく食べられる万能野菜ですが、根の部分の95%は水分で、ビタミンやミネラルは根の部分より葉に多く含まれています。葉にはβ-カロテン、ビタミンC、K、葉酸、カリウム、カルシウムなどが含まれていて栄養豊富なので、葉も調理して食べるようにしましょう。
根の部分に含まれる成分で特徴的なのは、数種類の酵素です。でんぷんを分解する酵素のアミラーゼ、たんぱく質を分解する酵素のプロテアーゼ、脂質を分解する酵素のリパーゼ、発がん性物質を解毒する酵素のオキシダーゼなどが含まれています。炭水化物、たんぱく質、脂質の消化を助ける働きがあることから、胃腸が弱って胸やけや胃もたれを起こしているときには積極的に取り入れたい食材です。古くから日本に伝わる春の七草の「すずしろ」はだいこんのことですが、正月料理で弱った胃腸を整えるのに有効なのです。酵素は熱に弱く50℃前後で働かなくなりますので、生のままおろして食べるとよいでしょう。また辛み成分であるアリルイソチオシアネートは、体内の解毒酵素の働きを高めてがんを予防する効果があります。
年間を通して出回っていますが、秋~冬が旬の野菜で、この時期に収穫されただいこんは、寒さで甘みがぐんと増します。
だいこん 基本情報
英名 Japanese radish
和名・別名 大根
エネルギー(100g中) 18kca
糖質量(100g中) 2.7g
5㎝(直径7㎝)あたり:200g
正味:180g/32kcal
(だいこんおろし)
1カップあたり:200g/36kcal
食品成分表(根・皮付き 可食部100gあたり)
たんぱく質……0.5g
脂質……0.1g
炭水化物……4.1g
無機質
カルシウム……24mg
鉄……0.2mg
ビタミン
B1……0.02mg
B2……0.01mg
C……12mg
薬膳の考え方から見た食品特性
五味…甘・辛
五性…涼
帰経…肺・胃
保存法とおいしさの見分け方
保存法
葉を取り除き、ラップで包んだら、立てて野菜室で保存。
おいしさの見分け方
- 葉がみずみずしく、放射状に広がっている
- 表面にハリがありずっしりと重い
- ひげ根の毛穴が浅くて少なく、まっすぐ並んでいる
だいこんの種類
青首系
現在流通しているほとんどが宮重大根を改良した青首大根で、根の上部が緑色なのが特徴。水分が多く甘みがあり、生食にも加熱調理にも利用できる。
丸系
形が丸く、肉質は緻密で辛みが少ないのが特徴。代表的な品種、聖護院大根は京都の伝統野菜。
白首系
練馬大根に代表される漬物用の品種で、首が白く長いのが特徴。肉質はきめ細かく煮崩れしにくいので煮物にも向く。練馬大根を改良したものが三浦大根。
辛み系
サイズは比較的小ぶりで、辛みが強いのが特徴。水分が少なく肉質はかため。信州のねずみ大根がよく知られている。
だいこん豆知識
新鮮なカットだいこんの見分け方
葉が切り落とされているときは、その断面が変色しておらず、みずみずしいものを。カットされたものは、断面が真っ白でスが入っていないものを選んで。
部位別に調理法を変える
上のほうは甘みが強くかためなので、炒め物やサラダ向き、下のほうは辛みが強いのでだいこんおろしやマリネ向き、真ん中部分はみずみずしく柔らかいのでおでんやふろふきだいこんなどの煮物に向いている。
栄養のある皮を料理する
微量ではあるが、皮には中心部分よりも栄養が多く、食物繊維やビタミンC、辛み成分ミロシナーゼや、酵素アミラーゼ、ポリフェノールのルチンなどが含まれる。煮含める料理の場合は、皮がないほうが味が染みるが、切った皮も捨てずに調理しよう。細切りにしてきんぴらにしたり、フライドポテトのようにだいこんを揚げてもおいしい。
切り口が青黒い! 食べても大丈夫?
カットした断面に青黒い筋のようなものが入っていることがあるが、青あざ症といい、土壌が高温多湿の状態でホウ素という成分が欠乏したときに起こる症状。食べても問題ないが、かたくなっていたり、苦みを感じたりするので、取り除いたほうがよい。
おでんのだいこんをおいしく煮る方法
必ず下ゆでをすること。だいこんのにおいの元、メチルメルカプタンという硫黄を含んだ化合物が溶け出して、だいこん臭さを抜くことができる。ほかの具材に味が移ってしまうのを防ぎ、それぞれの味を引き立たせる。
“ス”が入っているかどうかを見分ける方法
切らずにスが入っているかを見極めるには葉の断面をチェック。葉の断面に空洞ができていたらスが高確率で入っている証拠。スが入っただいこんは、だいこんおろしや千切りにし、浅漬けのように調理して食感が気にならない工夫を。
カイワレだいこんはだいこんになる?
だいこんの新芽を食べる野菜がカイワレだいこん。肥沃な土で栽培すれば、だいこんが収穫できそうに思えるが、カイワレだいこんは新芽がおいしく育つようにタネを品種改良したものなので、土で育てても大きなだいこんにはならない。
古くから生活の中で利用
胃もたれや二日酔いにはおろし汁少々を食前に飲むとすっきりする。風邪の発熱や咳には、おろし汁におろしショウガを加え、湯で割って飲むとよい。扁桃炎や打ち身にはおろし汁で冷湿布を。だいこんの生葉の汁は虫刺されや切り傷、軽いやけどによいとされ、乾燥させた葉は入浴剤として利用される。
おすすめ 食べ合わせ
◇ 発がん予防には だいこん+魚 が効果的!
◇ 疲労回復には だいこん+梅干し が効果的!
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