腸から始まる美と健康 Vol.5 免疫システムの70%は腸にあり!腸を整えて寒い冬も風邪知らず
日本中で風邪やインフルエンザが流行し始める季節の到来。
そういった病気からカラダを守るシステム『免疫』を人は生まれた時から備えていますが、実はその機能の約70%を担っているのが、まさしく『腸』です。
「腸の働きを良くすることが免疫力を高め、病気を遠ざける一番の近道」と、小林先生。
カラダの抵抗力をつけ『免疫力』を高めるポイントは『腸のケア』であることは近年、多くの研究で明らかになっています。本格的な寒さに備えて、しっかり腸を整えましょう。
『免疫細胞』は骨髄で生まれ、その後、敵を見つけるもの、敵の情報を伝達するもの、あるいは攻撃を命令するもの、チームを元気づけるものといった具合に役割を分担。そして担当が決まると、いつ病原菌が入り込んでも大丈夫なようにカラダの各所に配置され、防御に当たっています。
そして彼らの大本営が置かれているのが『腸』。なんと、人のカラダの全免役システムの約70%が集中しています。免疫細胞は体内に入ってきた細菌やウィルスなどを腸内で撃退するだけでなく、血流に乗って全身にも運ばれ、体中で大活躍!
「免疫には、もともとカラダに備わっている『自然免疫』と、一度細菌やウィルスに対処したり、ワクチンを接種したりすることで得られる『獲得免疫』がありますが、免疫細胞の中でも特に注目すべきはリンパ球の一種で自然免疫に分類される『NK細胞』です。
彼らはいわば全身を循環して回るおまわりさん。この『NK細胞』が多いほど風邪を引きにくくなり、たとえ風邪を引いても早く回復しやすくなります。
命を維持していくためには食べることが不可欠ですが、食物を口から摂るということは、すなわち異物や病原体も侵入しやすくなるということ。それに対抗するために備わったのが『免疫細胞』と『免疫システム』です。
「しかし中にはこれを突破して体内に入り込む病原体が現れます。すると次に対処に当たってくれるのが、常に体内をパトロールして、あらゆる病原体に攻撃を加える自然免疫に属する免疫細胞達です」。
それでも時には、自然細胞だけでは対応できない、インフルエンザや、病原大腸菌O-157など手強い病原体も侵入してきます。そこで登場するのが小腸の粘膜にある最大の免疫組織『パイエル板』。腸管免疫の中でも最も重要な器官で、リンパ球などに指令を出す腸の免疫システムの総司令所的存在です。
「腸管免疫には、鼻汁、唾液、胃液などの分泌粘液に多く含まれる特殊な抗体まで配備されていますが、免疫力は腸内環境の質で左右されます。よってパイエル板や免疫細胞たちが元気に働けるように理想的な腸内環境を維持する必要があります」。
免疫力を上げるには、さまざまな方法がありますが、なんといってもまずは日々の食養生が大切。
「NK細胞の活性を高めたり、『ヘルパーT細胞』と呼ばれるリンパ球のバランスを整えるには、これまでもご紹介してきた納豆菌や、乳酸菌が豊富なヨーグルト、チーズ、味噌、漬物などの発酵食品が有効です。これらの食品は善玉菌を増やして腸内環境を整え、免疫力を上げてくれます」。
また、地球の自転周期に合った24時間のリズムに沿った生活を送ることも大事。このリズムは『サーカディアンリズム』と呼ばれているもので、いわゆる『体内時計』(*地球の自転周期に合った約24時間のリズム)のことですが、これに逆らうような生活は、全身の臓器に不調をもたらし、さまざまな病気の引き金にもなりかねません。
そして、もうひとつ気をつけたいのが、食事を摂るタイミング。食事を終えてから食べ物が吸収されるまでの約3時間は、腸にとってのゴールデンタイムです。特に夜はこのゴールデンタイムを乱さないように、ぜひ就寝の3時間前までには夕食を済ませる習慣をつけるようにしたいものです」。
免疫力を高めるためには、過度なストレスを抱える生活や、ハードな運動、緊張やイライラが多い生活も禁物。
「そうした生活では交感神経が優位になりがちで、腸の機能も低下し、血流も悪くなり、免疫システムのひとつである粘液の分泌も悪くなってしまいます。日々ゴキゲンを心がけ、『腸ケアレシピ』も参考にしつつ、おいしく食べて、運動も楽しみながら『快腸生活』を続けてくださいね」。
今回ご紹介するレシピは、寒い冬にうってつけのあったか~いレシピたち。
腸ケアレシピを手軽に取り入れて、免疫力アップし寒さに負けない体づくりをしていきましょう!
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