2016年8月6日、長野県安曇野市にある「安曇野スイス村ハイジの里」で、JA直売所キャラバンの第1回目のイベントが開催されました。
雄大な北アルプス連峰を望む「ハイジの里」には、安曇野の地元農家が愛情いっぱいに育てた旬の農畜産物がそろい、毎朝、採れたての食材が生産者から届きます。
ステージでは、「きょうの料理」と「きょうの健康」で活躍する講師が、健康レシピと健康のコツを伝授。また地元・安曇野の生産者も登場し、野菜の特徴や育てる上での想いについてお話しいただきました。
- 料理研究家 管理栄養士
牧野直子さん
採れたての食材から牧野直子さんが選んだのは、「トマト」と「とうもろこし」。
地元生産者の小島さん夫婦が育てたトマトととうもろこしで、さっそく調理のデモンストレーションがスタートしました。
トマトの酸味と豆板醤の辛みが食欲をそそる、夏にぴったりの一品です。料理のコツは、先に調味料を合わせておき、それから炒めはじめること。
「トマトはβカロテン、リコピンを多く含む野菜です。ビタミンB1を多く含む豚ひき肉と合わせて、アリシンを多く含むにらやにんにくも加えて、疲労回復に役立つ料理にしました。」と牧野さん。
「トマトを炒めると細胞が壊れて、リコピンが摂りやすくなります。トマトを入れてからは、水けが出るので強火で、トマトが崩れたら、調味料を加えます。仕上げに、にらを加えて、水溶きかたくり粉を加えてできあがりです。これは、そうめんにも合いますよ。」
しょうがの香りと中華風味のご飯は、トマト麻婆にもよくあう一品。
とうもろこしは、半分に切ってまな板に立て、包丁で芯に沿って実をそぎます。しょうがとお米は炒めてから炊飯器にいれ、とうもろこしの実と芯を一緒に炊きます。
「とうもろこしは、混ぜずにお米にのせて炊いてください。味付けは中華風だけではなく、和風や洋風などアレンジできますよ。」
「とうもろこしには、ビタミン、ミネラルが豊富です。ご飯に粒を加えると良く噛むことにもなります。食べ応えも出て、食べ過ぎずにダイエットにもつながりますね。」
牧野さんが、つくった料理をさっそく生産者の小島さん夫婦が試食。
「いつもはそのまま食べるだけのトマトやとうもろこしがこんな風に変身して驚きました。とってもおいしいです。」と小島正明さんと園子さん。
その丹精込めて育てたトマトととうもろこしの料理を食べて大満足のご様子でした。
小島さん夫妻は、安曇野市三郷でコシヒカリの稲作をし、畑で15品目の野菜を育てています。クッキングステージで使うトマトととうもろこしは小島さんがつくりました。
トマトは、ほどよい酸味で味が濃く、とうもろこしは、糖度が高く、色が濃く、生でも食べられます。小島さんは、サラリーマンを定年退職後、本格的に農業を始めたそうです。試行錯誤を繰り返し、おいしい野菜がつくれるようになりました。
「トマトは化学肥料を使わず、有機栽培しています。霜対策では、ハウス内にトンネルを作ったりして作業が大変ですが、消費者のみなさまから「おいしい」と言われると励みになります。」 と正明さん。
毎朝、正明さんが野菜を収穫、園子さんが選定して直売所に旬の野菜を届けています。
「旬になると野菜も増量して、お安いですよ。たくさん召し上がって欲しいです。みなさまによろこんでいただけるととてもうれしいです。」と園子さん。
生産者さんのあたたかい人柄にふれることができたステージでした。
- 松本大学 大学院教授
根本賢一さん
健康ステージで、スポーツ健康学・健康科学が専門の根本さんが、健康づくりの秘訣として伝授してくれたのは、自らが考案した「インターバル速歩」。
中高年を対象にした調査で、高血圧、高血糖、肥満が20%改善したという結果も!
まず、ウォーキングするときの正しい姿勢の指導から。
「まっすぐ両手を挙げて、下ろした時の姿勢で背筋を伸ばして歩きましょう。歩くとき、ひざには体重の3倍以上の負荷がかかります。猫背だと、さらにひざに負担がかかり、悪くしてしまいます。」
「正しい姿勢で、はや歩きとゆっくりの歩きを交互に繰り返すのが、
インターバル速歩です。
ウォーキングは、30分間続けて行わなくても、10分ずつ3回でもOK。
1分ずつでもいいですから、自分の体力に合わせて行ってください。
はや歩きの運動が、1日あわせて15分以上になるのが理想的です。」
手はにぎり拳にせず、開いて、腕を後ろに引く感じに振るのがコツ。そして、1 2 3、の 3歩目を大股で、ちょっと早いテンポで歩く。
「無理せず、いい姿勢で歩くこと、脱水にならないよう水分を補給しながら、インターバル速歩を行ってください。」
ゆっくり歩きとはや歩きを交互に繰り返す運動「インターバル速歩」は、
長野県が発祥の地です。
1日15分だったら、良い景色と空気の中で、続けられそうですね。
- 試食用の料理は、キッチン設備の整ったキャラバンカーでつくられ,来場者に配られました。
- 「おいしい!帰ってつくってみます。」
「とうもろこしご飯は、はじめて!ぜひ、試してみます」
など、よろこびの声が聞かれました。
来場者に抽選で20名様にとうもろこしとトマトがプレゼントされました。プレゼンターは、あづみ農業協同組合 代表理事組合長の千國茂さん。
ずっしり重いプレゼントに当選者もうれしそう!
暑い夏、景色美しい安曇野のJA直売所で行われた、健康キッチン直売所キャラバン。
食と健康の大切さ、生産者と消費者のつながりを感じられた有意義なイベントとなりました。
「安曇野スイス村ハイジの里」は、長野県内最大級のJA直売所です。
生産者とお客様を結ぶ地産地消の拠点として、また観光客などの来訪者に、
地域やJAに関する情報の発信基地となっています。
- 500軒以上の契約農家から毎朝届く野菜。
北陸から届く魚介類も並んでいます。
- イートインコーナーには、
旬の食材を使ったピザやソフトクリームなども。
- ハイジの里
後藤店長