宮城県遠田郡美里町で栽培されている梨は、「北浦梨(きたうらなし)」の愛称で親しまれています。昔から梨栽培が盛んな美里町で、道渕正明さんは、梨農家の4代目。毎年3万個もの梨の手入れをしています。

「天災が一番怖いですね。一年かけて育てたものが台風でダメになると思うと夜も眠れません。」と道渕さん。

6月には、家族3人で3万個の梨に袋かけをします。
「2週間ほどで、梨ひとつひとつに、この赤い袋を手作業でかけていきます。腰が痛くなるし、大変な作業ですが、これをすることによって害虫から梨を守って、農薬の量が減らせます。それに、台風などで枝が揺れるときも、傷にならないよう、袋が守ってくれて、きれいな梨ができるんです。」

道渕さんが、ひとつひとつ愛情をかけて育てたみずみずしくて甘い梨は、直売所でも大人気。
でも、梨を卸売市場などに出していたころは、いちばんおいしい状態になるときから、1週間ほど早く出荷していたそう。
「直売所には、完熟したものを朝採って届けることができるので、おいしく食べていただけてみなさんに喜んでもらえます。
それに、直売所の商品にはバーコードと生産者の電話番号が記載されているので、食べてくれた人から、おいしかったので東京の孫に送りたい、と直接注文が入ることもあります。そんな時は苦労が報われます。」
道渕さんの日焼けした笑顔が印象的でした。

道渕さんの梨づくりは、ブログで紹介されています。
「元気ちゃんの自由研究」