*1人分
*丼つゆをつくる時間は除く。
1水400mlに昆布3~4cmを入れて一晩おく。昆布を取り出して鍋に移し、干ししいたけ2~3枚を加えて火にかける。沸騰したら削り節10gを入れ、火を止める。紙タオルなどをボウルに重ねてこす。300mlのだしがとれる。
2だし、しょうゆ、みりんを鍋に合わせ、強火にかける。
3沸騰後、鍋からあふれない程度の火加減にし、おおよそ半量になるまで約40分間煮詰める。
<★ポイント>煮詰めることで、だしの水分が抜けてうまみが凝縮します。少しうすめを好む場合は4割ほど煮詰めましょう。
4煮詰まったら揚げ玉をこし入れる。直接入れるとつゆが濁るので、ざるを使い、揚げ玉をくずしながら溶かす感じで。
5おおよそ溶けたら火を止め、残った揚げ玉は捨てる。
1.頭と身の境目に親指を入れて軽くずらし、背ワタをつかんで取る。頭をはずし、頭についた殻、目の部分、肝を取り除く。
<★ポイント>肝が残っていると熱で溶けて油が汚れます。このまま揚げると味が落ちるので注意しましょう。
2.しま模様3つ分の殻をはずして足を取り、残り2つ分の殻をはずして足を取る。身と尾の間にある堅い部分は残す。
3.頭側のしま模様から2つ目に親指を置き、関節を折るような感じで押さえる(=のす)。尾側から1つ目も同様にしてのす。
<★ポイント>尾がピンと上がる、のし方です。
4.最後に尾の先を少し切る。
<★ポイント>尾は熱が入るとふくらんではねるので、必ず切りましょう。
5.前日から冷やした水をボウルなどに入れる。卵はサラサラになるまで溶き、冷水に入れてよく混ぜる。
6.小麦粉をざるでふるいながら少量ずつ入れ、溶く。半量ほどの小麦粉を溶いたら残りは上側だけで溶く。
<★ポイント>上側の衣がうすくなったら、下側の溶いていない部分を混ぜて濃度調節をします。グルテンが必要以上に増えず、溶き始めのような状態が保てます。衣を入れたボウルは火から離して温めないように。
7.小麦粉をまぶし、余分な粉をはたく。
<★ポイント>ムラのないようにつけましょう。
8.えびの尾を持ち、衣をつける。2~3度つけて、衣を落とさないように油に入れる。
9.200℃の揚げ油に入れ、入れた順に返しながら30秒間揚げる。色づくまで揚げると堅くなり、甘みもとぶので注意。
<★ポイント>水分が抜けることでカラッと揚がるのです。浮いてくる揚げ玉は除いて集め、丼つゆに使いましょう。
10.頭の先を持ち、衣をサッとつけ、余分な衣をきれいに落とす。
11.衣を散らすために、投げ入れるような感じで180℃の油に入れ、時
々返しながら3分間揚げる。
<★ポイント>余分な水分を抜くことでうまみが凝縮し、カリカリの仕上がりに。「もう、いいかな」と思ったときからが大切で、火力の調整をしながら180℃を保ち、じっくり揚げます。
12.丼を用意し、8分目くらいまでご飯を盛る。表面に丼つゆ適量をサッと回しかける。
<★ポイント>丼つゆのつくり方は下ごしらえ参照。
13.天ぷらが冷めないうちに、温かい丼つゆに直接えびの天ぷらをくぐらせる。落ちた衣は取り除くこと。
14.えびをご飯に盛り、ふたをする。5分間ほど蒸らしてでき上がり。
<★ポイント>蒸らすことで、ご飯と丼つゆ、天ぷらの一体感が増し、よりおいしくなります。
【プロの技法1】衣の前に小麦粉をつける。
えびに衣がまんべんなくつけば衣の中でえびが程よく蒸され、また、衣は高温の油で水分が抜けます。衣は水分調節の役割を果たすので、濃いとボテッとして水分も抜けにくく、逆に薄いと衣がはじけ、えびに火が入りすぎてしまいます。衣がついてこそ生食以上のおいしさになるのです。
【プロの技法2】丼つゆに揚げ玉を入れる。
キリッとした江戸前の味に油のうまみが加わり、コクがあってふくよかな味わいに。少しとろみがつくので天ぷらによくからみ、ご飯とのバランスも完璧です。だしで3倍にうすめればうどんつゆにも重宝。保存は必ずこしてから保存容器に。冷蔵庫で1~2か月間は保存可能です。
【揚げ油について】
うまみは少ないが、くせのないサラダ油(発煙点*は230℃)と、うまみが強いごま油(発煙点は200℃)を1対1の割合で混ぜる。ごま油を加えることで風味豊かな仕上がりになる。使用量は小さめの鍋やフライパンで深さ約3cmを目安に。
*油から煙が出て、油自体が傷み始める温度のこと。
【温度について】
油に衣を落としたときの状態で判断する。200℃は表面で衣がサーッと散り、180℃は中間まで沈み、上がってくる。ちなみに160℃は、衣が鍋底まで沈み、すぐに上がってくる状態。野菜やえびの頭など数分間揚げるものは、途中、温度が上がってくるので火力を上げ下げして調節する。
【衣について】
材料を冷やさなかったり、衣を混ぜすぎたり、長時間おくと、グルテンができて粘りが出てくる。粘りが出た衣は、衣自体の水分が抜けにくく、カラッと揚がらない。混ぜるときは、力を入れず、手首と肘を動かして、サッと合わせる感じで。