*1人分
1.まず最初に、【カルボナーラ】の具のささ身を昆布にはさみ、うまみをしっかりと移します。昆布2枚の片面にオリーブ油を薄く塗り、1枚に塩少々をふってささ身を並べる。ささ身の上にも塩少々をふり、もう1枚の昆布のオリーブ油を塗った側を下にしてのせ、30分間ほどおいて昆布じめにする。昆布はとっておく。
2.聖護院かぶらは皮を厚くむき、目の細かいおろし金ですりおろす。
<★ポイント>繊維の堅い皮は厚めにむく。この皮やかぶらの汁もあとで利用するのでとっておく。
3.不織布タイプの紙タオルを二重に敷いたざるにのせ、10分間ほど水けをきる。出てきた汁はとっておく。
<★ポイント>ここであまり長くおくと、かぶらのうまみも抜けてしまうので注意。
4.大きめのボウルに卵白を入れ、泡立て器かハンドミキサーで、しっかりツノが立つまで泡立てる。
5.3の水けをきったかぶらに塩少々を加えて混ぜ、4の卵白を4~5回に分けて加え、ゴムべらで大きく混ぜる。
<★ポイント>卵白の泡をつぶさないよう、サックリと混ぜます。
6.オーブン用の紙を敷いたバットや皿に広げ、蒸気の上がった蒸し器に入れて、中火で10分間ほど蒸す。
7.かぶらの皮や汁、昆布じめの昆布を加えた湯で、ささ身とスパゲッティをゆでる。フライパンに【ゆで汁】の材料を入れて強めの中火にかけ、沸騰したら1のささ身を加え、アクをざっとすくい取る。
8.ささ身の色が変わって弾力が出たら、引き上げて粗熱を取り、小さめの一口大に裂く。
<★ポイント>乾いてパサつかないように、紙タオルをかけておくとよいでしょう。ラップは蒸れてしまうのでNG。
9.7の昆布とかぶらの皮をフライパンから取り除き、湯の重量の0.8%の塩を入れる。スパゲッティを加え、袋の表示より1分間ほど短めにゆでる。
<★ポイント>このとき湯は蒸発して約カップ3になっているので、4.5~5gの塩を加えます。吸い物程度の塩けを目安に。
10.別の鍋に湯を沸かし、卵黄を入れたボウルをのせて湯煎しながら泡立てる。人肌より少し温かくなったら湯から外し、とろりとするまでさらに泡立てる。
11.スパゲッティの湯をきって10のボウルに加え、サッと混ぜる。
<★ポイント>ソースの卵黄は、ふんわりと泡立ててからスパゲッティをからめ、口当たりよく。
12.8のささ身とパルメザンチーズを加え、黒こしょうを多めにふって手早くあえる。
13.器に【カルボナーラ】の半量をこんもりと盛り、6の【かぶら蒸し】の半量で覆ってドーム形にする。
14.飾りでかぶらの葉を刺し、柚子の皮をすりおろして散らす。もう1人分も同様に盛り付ける。
<★ポイント>こんもりと、かぶらの形に。柚子(ゆず)の皮の爽やかな香りも、欠かせない要素の一つ。
【プロの技法1】
●少なめの湯、弱めの火でゆでる
スパゲッティはたっぷりの湯をグラグラ沸かしてゆでるもの、と思われているが、煮立たせすぎたり、かき回し続けたりするとスパゲッティの表面がくずれてコシがなくなる原因に。塩を加えた湯は静かに「ほほえむ」くらいの煮立ちで100℃以上になるので、弱めの火加減でも十分だ。今回は直径1.6mmのスパゲッティが浸る程度の湯量で、コトコトとゆでること6分間。ゆで上がる際には、湯がほとんど蒸発してしまう。
【プロの技法2】
●スパゲッティを冷まして引き締める
京都の水がまろやかでおいしいのは、国内でもカルシウムなどのミネラル分が少ない「軟水」だからといわれる。軟水は昆布やお茶などのエキスが出やすい利点もあるが、スパゲッティをゆでると中まで浸透しやすいせいか、のびやすくなる。そのため、京都の店では太めのスパゲッティを使うか、細めのものはゆで上げたあと、扇風機の風を当てて引き締めるというひと手間をかけ、程よい歯ごたえになるよう工夫している。
●聖護院かぶら●
京都府指定の「京の伝統野菜」の一つで、直径15~20cmもある大きなかぶ。繊維のきめが細かく、水分量が多くてみずみずしいのが特徴で、千枚漬けの材料としてもよく知られている。秋冬の京都の厳しい寒さから身を守るために糖分を蓄えるので、甘みが強い。