1.大根は2.5cm厚さの輪切りにしてから皮を厚めにむき、面取りをする。
2.鍋に【A】と1を入れて強火にかける。
3.オーブン用の紙の中央に切り目を入れて落としぶたにし、沸騰したら弱火にして15~20分間ゆでる。竹串がスッと通り、透明感が出てくればいい。火を止めてそのままおき、冷めたら取り出し、表面のぬめりを洗い流す。
<★ポイント>紙に切り目を入れると蒸気が抜けて対流がよくなり、火の回りが早くなります。
4.ぶりのアラは、目の横あたりから包丁を入れ、大きめに切る。
5.鍋に湯を沸かし、4を1切れずつ入れる。表面が白くなったら素早く取り出し、氷水に移す(霜降り)。
<★ポイント>霜降りにすることで特有の臭みが取れやすくなります。
6.氷水の中で丁寧に掃除をし、ウロコや血合い、ぬめりなどを取り除く。
<★ポイント>ウロコや血合い、ぬめりなどが臭みの原因。最後まできれいに掃除をしましょう。
7.紙タオルを敷いたバットにアラを移し、水けを拭く。
8.鍋に3の大根を並べ、7のぶりを上に置く。
9.【煮汁】の酒を注ぎ、1~2mm厚さに切ったしょうがをのせる。
<★ポイント>しょうがは臭みを取り除くと同時に、味のアクセントにもなります。
10.強火にかけ、丁寧にアクを取りながらアルコール分をとばす。沸いたら中火にし、くつくつ煮立つ火加減を保ちながら、5分間くらい煮る。
<★ポイント>5分間ほどしてぶりに火が入るころ、酒のアルコール分もとびます。
11.三温糖を入れる。
<★ポイント>上白糖に比べ、穏やかな甘みになります。
12.三温糖が溶けたらしょうゆを加える。
13.味をみて、仕上げにたまりじょうゆを回し入れる。
<★ポイント>色合い、コクを加えます。
14.くつくつ煮立つ火加減を保ちながら15~20分間くらい煮詰める。汁けが少なくなり、煮詰まった状態になったら火を止めて器に盛り、彩りに木の芽を飾る。
《プロの技法1:見た目のきれいさもおいしさの一つ》
大根のうまみを感じつつ、煮やすい厚さが2.5cm。面取りをすることで煮くずれを防ぐので仕上がりが断然、美しくなります。ゆでるときは生米(または米のとぎ汁)を入れましょう。大根のくせがやわらぎ、香りも柔らかくなります。
《プロの技法2:仕上がりを左右する霜降り》
骨からうまみが出て、皮、ゼラチン、軟骨などいろいろな部位の異なる食感が楽しめるのがアラのよさ。しかし、くせが強く、余分な脂やウロコ、血合いなどが臭みや雑味の原因にもなるので霜降りは必須です。湯に通したあと氷水に落とすことで表面のたんぱく質が凝固するので、汚れが取れやすく、うまみを逃がしません。