ぬか漬け
材料
(つくりやすい分量)
- ・生ぬか 1.2kg
- 【A】
- ・塩 200g
- ・水 カップ5(1リットル)
- ・棹前昆布 50~100g
- *夏、棹を入れて本格的に収穫するより前に採集した柔らかい昆布。乾物屋などで入手可能。なければ、日高昆布でもよい
- ・赤とうがらし 5~10本
- ・しょうが 100~200g
- ・レモンの皮 (国産) 1コ分
- ・実ざんしょう 大さじ3
- *実ざんしょうがない季節は、省いてもよい
- ・キャベツ 適量
- ・きゅうり 適量
- ・なす 適量
- ・にんじん 適量
- ・大根 適量
- ・セロリ 適量
- ・みょうが 各適量
- ・塩
下ごしらえ・準備
漬ける野菜の下準備
1 キャベツ
葉を1枚ずつ、漬ける枚数だけはがす。
2 きゅうり、なす
皮をしま目にむき、塩適量をまぶして、もみこむ。塩もみすることで色よく仕上がる。
3 にんじん
皮をむき、小さいものはそのままで、大きいものは縦二つ割りにする。
4 大根
皮をむき、縦四つ割にする。急ぐときは六つ割にすると早く漬かる。
5 セロリ
葉を切り取って茎だけを使う。筋を取り除き、長さを半分に切る。
! ポイント
みょうがはそのまま漬けるとよい。
つくり方
【A】を鍋に入れ、煮立たせて塩を溶かし、完全に冷ます。ぬかをざるなどでふるってボウルに入れ、冷ました塩水を少しずつ加えながら、ぬかの粉っぽさがなくなるまで全体をまんべんなくかき混ぜる。
1を漬物容器に移し、底から大きく混ぜて表面を平らにならす。棹前昆布、赤とうがらし、皮をむいたしょうが、2~3等分に切ったレモンの皮、実ざんしょうを加える。
底から天地を返すようにして軽く混ぜ、表面を平らにならす。容器の周囲についたぬかをふき取り、ふたをして1~2日間ねかせる。その間、1日1~2回、空気を含ませるようにしっかりと混ぜる。
1~2日たつと野菜を漬けられるが、床がなじむまでは風味が浅い。おいしく漬かるのは1~2か月後から。最初は、水分が出やすく漬かりが早いキャベツを埋めるように入れて漬け、床をなじませる。6~8時間後に取り出し、一夜漬けの感覚で、あっさりした風味を楽しむとよい。キャベツを取り出したあとは、ぬか床をよく混ぜて表面を平らにならす。
ぬか床をつくって3日くらいたったら、ほかの野菜を漬ける。野菜を漬けるときは、ぬか床をよくかき混ぜてから、野菜をぬか床に埋めるようにして入れ、ぬか床の表面を平らにならす。容器の周囲についたぬかをふき取り、ふたをする。
●容器
ぬか漬けの容器には、陶製のかめ、またはホウロウが適している。ぬかから乳酸菌が出るので、鉄やアルミ製のものは避ける。大きさは、生ぬか1.2kgに対し、3~5リットルの容量があれば十分。家庭の冷蔵庫でも保存しやすいサイズ。
【毎日の手入れ】
ぬかにかびが発生するのを防ぎ、平均的に発酵させるため、ぬか床は毎日、できれば朝晩2回、最低でも1日1回かき混ぜる。容器の隅々まで手を回し、天地を返すようにして空気を含ませ、しっかりと混ぜる。混ぜたあとは表面を平らにならし、よくたたきつけ、容器の周囲についたぬかをふき取り、ふたをする。
【ぬかが減ったら】
●ぬかと塩を足す
野菜を漬け続けていくと、ぬかが減ったり、ぬか床がゆるくなったりする。その場合は、生ぬか適量と塩適量を加えて調節するとよい。塩は、ぬか床をなめてみて、塩けを確認しながら加減する。
●酒を加える
夏の暑い時期になると酸味が出やすいので、酸っぱいな、と思ったら、酒適量を加えて混ぜるとよい。酒の甘みと風味で、酸味がまろやかになる。また、ぬか床を柔らかくしたいときにも酒を加え、ぬか床の水分量を調節するとよい。このほか、季節の折々に、しょうが、赤とうがらし、レモン(国産)の皮などを新たに補うと、風味や香りが増す。
このレシピをつくった人
江上 栄子さん
東京都内で料理学校を主宰。料理学校の創始者、故・江上トミさんの教えを守り、家庭の料理の大切さ、その伝播に尽力している。
青山学院大学を卒業後、フランスのパリでル・コルドン・ブルー料理学校修士課程を修了。
佐賀県の有田・香蘭社の出身なので、食器にも造詣が深い。漆工協会理事、経済産業省の伝統的工芸品産地プロデューサーを務める。
一方、フランスチーズ鑑評騎士の全日本支部理事長を務めるなど、諸外国とのかかわりも深く、2002年3月、フランス政府より農事功労章シュヴァリエを受勲。2016年にはシュヴァリエをオフィシエに昇格。外食産業や食品会社の顧問としてフードビジネス全体に携わる。2015年には、女性で初めてアメリカの殿堂入りを認可された。
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