さんまのムニエル
表面はパリッとして中はジューシー。身をジューシーにふんわり仕上げるためには、一匹丸ごとか、厚めの切り身を使うとよいでしょう。
写真: 馬場 敬子
*1人分
材料
(1人分)
- ・さんま 1匹
- ・ケイパー 小さじ1
- ・レモン汁 大さじ1
- ・イタリアンパセリ (ザク切り) 一つまみ
- ・レモン (くし形切り) 1切れ
- ・塩
- ・こしょう
- ・小麦粉
- ・オリーブ油
- ・バター (食塩不使用)
- *食塩不使用でないバターの場合は、ソースをつくるときに加える塩を控える。
つくり方
さんまは洗ってウロコを取り、水けをふいて2つに切る。塩・こしょうを全体にまんべんなく、強めにふる。
小麦粉を全体に薄くまんべんなくつける。
フッ素樹脂加工のフライパンにオリーブ油大さじ2を熱し、盛りつけのときに表になるほうを下にしてさんまを入れる。中火で焼いて皮がきつね色になったら表面の小麦粉の膜がはがれないように裏に返し、同様に表面をパリッと焼く。
バター25gを加え、バターが溶けてムース状(細かい泡状)になったら、スプーンでさんまの上にかけ、香りをつける。バターがきつね色になったら火を止めて、さんまを器に盛る。
残った油とバターでソースをつくる。火を止めた状態でケイパー、塩少々を加え、さらにレモン汁、イタリアンパセリを順に加えてざっと混ぜ、4の魚にかける。くし形に切ったレモンを添える。
ソースは大さじ1ほどあれば十分なので、フライパンに残っている油は、ソースをつくるときに多ければ減らす。
プロのコツ(1)【塩・こしょうをしっかりとふる】
仕上げにかけるソースよりも、中心素材である魚自体にしっかりと味をつけておくことが、おいしくするコツ。はじめに塩・こしょうを強めにふっておく。
プロのコツ(2)【表面をパリッとさせる2つのポイント】
1. 小麦粉を薄くまぶし、すぐに焼く。
小麦粉は全体にかけ、それからしっかりはたいて、魚の表面に膜をつくるようにする。これでムニエルのだいご味である表面のパリパリができる。小麦粉をつけてから時間をおいてしまうと、魚から水分が出てきて粉の膜にむらができてしまうので、粉をつけたらすぐに焼く。
2. はじめはオリーブ油で焼く。
表面をパリッとさせるためには高温で焼く必要があるが、焦げやすいバターを使って強火で焼くのは難しいので、はじめはオリーブ油を使って魚の表面を焼き、裏側も同様にする。ひっくり返すときに小麦粉の膜がはがれないよう注意が必要。
プロのコツ(3)【バターで香りづけ】
バターの香りはムニエルの重要な要素だが、はじめからバターを入れると焦げやすいので、魚の表面をパリッと焼いてから加えて熱し、ムース状になったら香りをつけるために魚にかける。バターは水分を持っており、低い温度でゆっくり熱していると魚の表面がベチャッとなってしまうので、水分をとばすように強火で、かつ焦がしすぎないように。
プロのコツ(4)【酸味とハーブがソースの決め手】
ムニエルには、レモンなど酸味も欠かせない。ソースの仕上げに加えることで、バターの油っぽいソースに酸味がアクセントをもたらすとともに、バターの焦げの進行を止める働きもある。トマト・バルサミコ酢なども使える。また、イタリアンパセリやバジル、ローズマリーなど、生のハーブ類を最後に加える。
このレシピをつくった人
成澤 由浩さん
フランスでの修業の後、神奈川県小田原市に店をオープン。その後、東京・青山に移る。素材の持ち味を最大限に生かし、シンプルかつ奔放な料理にファンが多い。フランス料理店「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」のオーナーシェフ。
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